型枠大工の仕事内容とは？土工・鉄筋・足場との違いと将来性を徹底解説

はじめに

「型枠大工ってどんな仕事？」「きついって聞くけど実際どうなの？」
この記事では、型枠大工として40年以上の実績を持つ弊社の視点から、仕事内容・一日の流れ・向いている人の特徴、そして将来性までを詳しくご紹介します。
これから建設業界を目指す方や、転職を検討している方の参考になれば幸いです。

建設業は本当にきついのか？

「建設業はきつい」というイメージは根強くありますが、それは過去の体験談やイメージが先行している場合が多いです。
実際には、デスクワークや営業職なども精神的なストレスが強く、きついという声は多くあります。

昔は現場にパワハラやいじめのような行為もありましたが、今は元請会社からの指導や、世代交代の影響で大きく改善されています。
弊社でも無駄な怒鳴りなどはせず、やるべきことをしっかり伝えるだけ。
見た目が怖そうな人も実際は優しくて穏やかな人が多く、ブレイキングダウンのような世界ではありません。

体力面はどうなの？

夏は暑く、冬は寒い──確かに屋外作業は天候に左右されます。
ですが人並みの体力（学校の体力テストで中の上くらい）があれば十分やっていける仕事です。
続けるうちに体も慣れ、重たいものの持ち方なども工夫できるようになります。
例えば角鋼管を肩にのせて運ぶ作業がよくあり、初めは肩が痛く感じますが体が慣れてくれば肩にのせても痛いと感じなくなったりします。
少し余談ですが型枠大工は4m角鋼管(1本16kgくらい+コンクリが詰まっているとさらに重い)を一回で1本運ぶか、2本運ぶか問題があります。
体育会系色の強かった一昔前？業者によっては「若くて体力があるんだから、2本運んで当たり前みたい！」に考えるかもしれませんが、弊社では力に自信があるなら2本運んでもいいし、別に1本でも構わないと考えます。
実際歩行する地面も常にフラットとは限りませんし(むしろ勾配があったり土で滑りやすくなっていることが多い)、無理をして2本運んで滑って転んで、大怪我につながれば、本人は大変な思いをするでしょうし、仕事を依頼してきてくれている元請けにも迷惑がかかります。
また怪我はしないにしろ、徐々に無理が蓄積していき足腰などを悪くし、仕事が長く続けれなくなるほうがデメリットが多いと考えます。

時間帯は？

現場は作業開始が8時からと朝早いことが多いですが、弊社では夜遅くまで残業することは基本的にありません。
段取り良く作業が進めば、明るいうちに終わることもあり、オンオフのメリハリがある働き方ができます。
また体が資本の仕事なので、お昼休憩以外に10時と15時にしっかりと休憩を取っています。(会社の就業時間として、10時と15時に15分ずつ休憩と定めているが、実際は30分以上取っていることが多いです笑)
また真夏と真冬の作業はちょっと大変で、特に真夏は気温の影響で熱中症対策を考え、どうしても小まめな水分補給、塩分補給、日陰で涼むをしなければ体が持たないので春や秋に比べ多めに休憩を取ることが多いです。
ポカリスウェットや、アクエリアスなどの飲料水は会社で支給しています。

ホワイトカラーとの違い

筆者はITベンチャー勤務の経験がありますが、終わりのないタスク、成果主義、メンタルの疲弊を感じることが多くありました。
一方、型枠大工は「図面通りに形を作る」というゴールが明確で、不安感は少なく達成感があります。

また、営業などでは売りたくないものを売ることに抵抗を感じる人もいますが、
型枠工事は社会インフラを支える仕事なので、やっていて誇りが持てます。

AI時代でも奪われにくい仕事

AIが進化して営業やITの一部業務が自動化される中で、型枠大工は「人の判断力」や「現場の工夫」が求められる仕事です。
拾い出しやセパ割など一部は自動化されても、現場の調整や管理は人にしかできません。

つまりAIに代替されにくく、長く働き続けられる職種と言えるのです。

型枠大工の一日の仕事の流れ（例）

作業工程の例（1日分）

ユニックで材料運搬（パネルや角材など）
加工済みパネルへの穴あけ（セパ用）
立て込み（均しコンクリートの上にパネルを立てる）
セパ設置（パネルの位置を固定する）
片面の締め付け（裏枠を使って通りを仮出し）

作業工程の例（別日）

表枠の取り付け・締め付け
全体の通り・高さの調整
補強・支保工の設置
コンクリート打設（別日）
脱型作業（打設後数日）

型枠大工の仕事は分業と段取りが重要。
一日で全てをやるわけではなく、段階を追って丁寧に施工していくのが特徴です。

他職種との違い｜鉄筋・足場・土工と比べて

職種	主な仕事	覚える技術	体力の負担	長く続けられるか
型枠大工	型の加工・組立・通り出し	高（加工・判断・管理）	中（人並みでOK）	◎（年配でも可能）
鉄筋工	鉄筋の切断・結束・組立	中	やや高め	○
足場工	足場の組立・解体	中	高（高所・力作業）	△
土工	掘削・整地・埋め戻し	低〜中	中〜高	○

型枠大工は「長く安定して働ける」「やることが多くて飽きにくい」「将来性もある」というバランスの取れた職種です。

まとめ

建設業の中でも、型枠大工は特に技術・判断・段取り力が必要な職種です。
そのぶん達成感もあり、社会インフラを支えるやりがいも大きいです。